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天狗のうちわ

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昔々、遠い山奥の村に、心優しい青年の太郎が住んでいました。太郎は毎日、山に登って薬草を集め、村の人々に分け与えていました。

ある日のこと、太郎が山の奥深くで薬草を探していると、突然、目の前に天狗が現れました。天狗は大きなうちわを持っており、その姿はとても威厳がありました。

天狗は太郎に言いました。「お前の優しさはこの山まで届いている。特別な贈り物を授けよう。このうちわを使えば、風を自由に操ることができるぞ。」

太郎は驚きながらも、天狗に感謝の意を表しました。そして、天狗のうちわを受け取りました。

村に戻った太郎は、早速そのうちわを使ってみました。うちわをひと振りすると、強い風が吹き、枯れた田んぼに水を運びました。村の人々は大喜びで、感謝の気持ちを太郎に伝えました。

しかし、太郎は天狗の言葉を思い出しました。「このうちわは慎重に使わなければならない。」ある日、強い風を起こしすぎて村に大きな被害をもたらしてしまったのです。

太郎は反省し、再び山へ登って天狗にうちわを返しました。天狗は微笑みながら言いました。「お前は賢い。真の力は道具ではなく、お前の心の中にあるのだ。」

太郎はその言葉を胸に刻み、村のために働き続けました。そして、村はますます繁栄していきました。

こうして、天狗のうちわのお話は、村人たちの間で語り継がれることとなりました。

おしまい。

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